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プリキュア、ディズニーのキャラクター商品作り、そしてAmazonへ。 吉田光希氏

子どもたちに大人気のアニメ「プリキュア」のキャラクターのアイデアを出し、それを玩具に商品化する仕事に携わった後、アメリカでディズニーのキャラクター商品作りにも関わり、帰国後にアマゾンジャパンに転職した吉田さん。大学時代には4年間、外資系アパレルでアルバイトを続けるなど、どの仕事に対しても誠心誠意で取り組んできただけでなく、大好きだったに違いないということが、吉田さんの生き生きとした語り口から伝わってきました。自分の好きなことに出会うためには何が必要なのか、そのためのヒントが吉田さんの生き方から探れるような気がします。
バンダイでアニメのキャラクター商品を企画する仕事 憧れのプリキュアのチームに希望を出し続けて実現!

開志専門職大学

吉田さんは玩具メーカーのバンダイに就職された後、今はアマゾンジャパン勤務ということですが、まずバンダイでどのようなお仕事をされていたか教えてください。

吉田光希

バンダイには2013年4月から5年9カ月勤めました。

吉田光希

最初は店舗営業、それからキャラクター商品の企画開発の仕事、最後はグローバル推進担当でした。

開志専門職大学

バンダイというと、吉田さんも携わっていたキャラクター商品が有名ですね。

吉田光希

プリキュアシリーズやスーパー戦隊、仮面ライダー、それからたまごっちなど、子どもたちに人気のキャラクター商品を展開しています。

開志専門職大学

吉田さんは「プリキュアチーム」だったとか?

吉田光希

そうです。アニメ番組に合わせた設定の中で、どのように商品を展開していくかをアニメ制作会社である東映アニメーションと一緒に検討していました。

吉田光希

中でも、スイーツがモチーフのプリキュアシリーズの時には、5人の(プリキュアの)キャラクターのコスチュームをプリンだったりショートケーキだったりのイメージを取り入れることを何度も打ち合わせして商品化しました。

開志専門職大学

デザインをするわけではないのですか?

吉田光希

私の仕事はアニメの世界観のなかで、魅力的な商品を企画して形にしていくことです。

開志専門職大学

アニメのコンセプトに合うものを商品としてどう展開していくかをチームで考えていくわけですね。

吉田光希

アニメのテーマやコンセプト、ストーリーがあるなかで、東映アニメーションと打ち合わせを重ねてバンダイが商品として形にしています。

開志専門職大学

そして、それを会社が玩具として商品に出して、子どもたちがそれを使って遊ぶのですから、まさに憧れのお仕事ですね。

開志専門職大学

吉田さん自身はプリキュア世代でしたか?

吉田光希

私自身は『おジャ魔女どれみ』や『セーラームーン』に夢中でした。そして、バンダイに入社したからには絶対にプリキュアに携わるチームで働きたいと、最初から希望を出していました。

開志専門職大学

希望が通って、プリキュアのチームに入ってどうでしたか?

吉田光希

寝ても覚めてもプリキュアでした(笑)。やることはたくさんあり、商品としては何をいつどう出すか、どんな仕様にするかなどを決めて進めていきました。

開志専門職大学

キャラクターや商品のアイデアは何をヒントにしているのですか?

吉田光希

まず、プリキュアを見ている子どもよりお姉さんの世代で何が流行っているのかを参考にします。お姉さんたちが流行らせたものは、少し経てば必ず下の世代にも流行してくるんです。

吉田光希

それで渋谷や原宿にもよく出かけて、街での流行をチェックするようにしていました。

開志専門職大学

バンダイで働いていた頃はどういう時にやりがいを感じていましたか?

吉田光希

やっぱり、プリキュアのファンが集まるイベントで、私たちが考えて商品にしたグッズを身に付けた子どもたちを見ると、「こんなに楽しんでくれているんだ」ということが直接伝わってきて、感動しましたね。

海外に一番行きたいと思っているのは私 ロサンゼルスでの研修制度に手を挙げた

開志専門職大学

もともとバンダイに就職した理由は?

吉田光希

実は大学時代は児童文学の編集者を志望していました。

吉田光希

ですが、児童文学と同じく子どもたちに商品を届けるバンダイの入社試験を受けた時に、社員の方々がとても楽しそうに働いている姿を目の当たりにしたことで「ここで自分も働きたい」と思うようになりました。

吉田光希

入社したら、実際にすごく楽しかったんです。

吉田光希

仕事がどんなに忙しくても会社に行きたくないと思ったことは一度もなかったですし、プリキュアチームの名刺を持っていることが誇りでした。

開志専門職大学

吉田さんはその後、アメリカのバンダイでも仕事されたのですね。

吉田光希

はい、2016年11月から2018年3月までの1年半、ロサンゼルスで働きました。

開志専門職大学

自分で希望を出したのですか?

吉田光希

はい、バンダイの海外研修制度に関しては、海外経験がなくても積極的な意志を示せばチャンスをくれる仕組みがありました。

吉田光希

私の前任者は海外育ちのバイリンガルでしたが、私は次にアメリカに行くのは自分が!と思って、上司に相談しました。

吉田光希

その時に訴えたのは「私が海外で働く人材として一番優れているわけではないけれど、海外に一番行きたいと思っているはずだ」ということです。

開志専門職大学

熱い思いを伝えたわけですね。では、アメリカではどのようなお仕事を?

吉田光希

バンダイアメリカでディズニー映画に出てくるキャラクターの商品を作りました。

開志専門職大学

ディズニーの有名な作品ですね。そのキャラクターをアメリカで商品化したんですか。

吉田光希

頑張りました(笑)。

英語も完璧ではない、アメリカ人相手の交渉で苦労 しかし、ここで頑張らなくてどうするのだ、という覚悟

開志専門職大学

アメリカ人が相手で大変ではなかったですか?

吉田光希

そうですね。日本のプリキュアチームでは自分でアイデアを出して商品化する時は、価格と商品仕様の調整なども全部自分で担当していたのですが、

吉田光希

アメリカはそれぞれの段階を別の人が担当するので、自分の意見を通すために人を説得しなければいけない、その点に苦労しました。

開志専門職大学

しかも英語で?

吉田光希

かなり激しい言い合いになると、もう言い返せないですしね。

吉田光希

なのでミーティングの席に、バンダイアメリカの上司に同席してもらうとか、借りられる助けは全部借りました。

吉田光希

言葉では本当に苦労して、英語で商品に色をつけることを「ペイントアップ」と言うのですが、それがアメリカで参加した最初の会議で私の耳には「ピーナッツ」に聞こえて、

吉田光希

どうしてピーナッツの話なんてしているんだろうって理解に苦しみました。今となっては笑い話ですが。

開志専門職大学

英語も完璧ではないし、アメリカ人が相手で、どうしてそこまで頑張れたのですか?

開志専門職大学

何を支えにしていたのでしょう?

吉田光希

うーん、やっぱり、自分ではプリキュアチームで色々経験してきたので、英語は十分ではないかもしれないけれど、仕事の内容としてはやれるはずだ、といった密かな自信があったのかもしれません。

吉田光希

そして、環境が違って色々困難はあるけれど、このことを克服することはきっと自分のためにも、周りのためにもなるはずだという思いもありましたね。

吉田光希

仕事はお金をもらえればそれでいい、という考えではないです。

吉田光希

日本人が外国に行く時は留学の場合は自分でお金を出しますよね。私の場合は会社がアメリカ行きのお膳立てをしてくれて、しかもお給料まで出してくれて、貴重な経験をさせてくれているのだから、

吉田光希

そこで頑張らないでどうするのだ、と思っていました。

開志専門職大学

素晴らしい心がけです。それで晴れてディズニー映画のキャラクター商品を完成させて帰国。

開志専門職大学

アメリカで得たことは何ですか?

吉田光希

世界の市場は大きいということを実感できましたね。

吉田光希

バンダイは日本だととても有名だし、アメリカでもコアなファンもいますが、日本と世界の市場の違いといったものを感じました。

世界規模の会社で学びたいという気持ちでアマゾンへ 自分が言いたいことを喋り続けたら面接が終わっていた

開志専門職大学

そして、帰国後はAmazon(アマゾン)へ。

吉田光希

はい、Amazonという世界規模の会社でマーケティングの仕組みを知りたい、学びたいという気持ちで転職しました。

開志専門職大学

試験はどうでした?

吉田光希

数人の方と面接をしました。普通は「どういうことをやりたいか」を聞きますよね。でもAmazonでは、「こういうことを考えて過去にこういうことをやった。結果はこうだった。

吉田光希

次の段階に向けては、こういうことを目的にこうしたい」と、プロセス(過程)を深掘りされたという印象があります。

開志専門職大学

手応えは?

吉田光希

絶対に落ちたと思いましたね。自分が言いたいことを喋り続けたら終わっていたので。

開志専門職大学

では、なぜ合格したとご自分で分析していますか?

吉田光希

決め手ですか?私が逃げないタイプだということが伝わったからかもしれません。

開志専門職大学

大変なことから逃げない?

吉田光希

はい、タフなことに向かって行くタイプだというように思ってもらえたのかもしれないです。

開志専門職大学

ゆとり世代にしては珍しいタイプ?

吉田光希

アメリカで鍛えられましたね。英語で苦労もしたし、アメリカ人相手に交渉しなければならなかったし。

開志専門職大学

さて、2019年にアマゾンジャパンに転職されて、これから先のお仕事はどんなことをするのですか?

吉田光希

Amazonで商品を販売しているメーカー数社のコンサルティングをする仕事です。

開志専門職大学

具体的には?

吉田光希

その会社がAmazon上で売上を伸ばしていくための作戦を提案して、その結果を分析して、さらに改善して、ということですね。

開志専門職大学

その会社の売上が伸びたとしたら、それは吉田さんの作戦が当たった!ということになるわけですね

吉田光希

その一役を担っていたら嬉しいですね。

大学時代にはやりたいことを全部やった方がいい 世界と向き合えばベストな人生の設計図描ける

開志専門職大学

吉田さんは、アメリカで1年半働いた以外は留学などのご経験は?

吉田光希

ありません。でも英語には小学校の頃から親しんでいました。ネイティブの英語の先生がクラスに来て、英語の歌を教えてくれたり、ハロウィーンの習慣について話してくれたりしていました。

開志専門職大学

将来は何になりたいと思っていましたか?

吉田光希

小学校高学年の頃の夢は「オーストラリアで日本語の先生になる」ことでした。両親が教師だったので、その影響だと思います。

吉田光希

オーストラリアなのは、その当時、オーストラリア出身の水泳選手、イアン・ソープと結婚するつもりだったからです(笑)。

開志専門職大学

その後、東京外国語大学に進学された吉田さんですが、大学時代は何に夢中でしたか?

吉田光希

スペインに本社があるアパレルのザラ・ジャパンの日本オフィスでアルバイトをしていました。

吉田光希

バイトで入ったんですが、結局4年続ける中で会社がどういうものかを勉強させてもらいました。

開志専門職大学

お仕事の内容は?

吉田光希

スタイリストさんに撮影用の商品を貸し出したり、雑誌に商品が紹介されたら、それをチェックしていつ読者から問い合わせが入っても対応できるように準備したりする仕事でした。

開志専門職大学

4年も働いたのなら、大学卒業後に就職の声がかかったのでは?

吉田光希

はい、外資の会社で新卒のシステムがありませんでしたが、声をかけていただきました。

吉田光希

でも、同時に就活もしていたので、せっかく、新卒採用で同期がいて、研修の制度もしっかりしている日本の企業に受かったのだから、そちらを一度経験してみようという気持ちで、バンダイに入社することにしたんです。

開志専門職大学

大学ではアルバイトに、バンダイではプリキュアに、今はまたAmazonで担当するメーカーのために売上アップに熱心に取り組まれている吉田さんから、

開志専門職大学

これから大学生になる人々に大学4年間でやっておいた方がいいことをアドバイスするとしたら何と言いますか?

吉田光希

やりたいことは全部やった方がいいです、と言いたいです。どこまでの規模かわかりませんが、金銭事情が許す範囲なら何でも。

吉田光希

髪の毛を金髪にしたいならそれを試した方がいいし、外国に行くのでも、興味があるなら試さない手はないです。

吉田光希

それぞれの経験を通して新しい学びがあるはずです。

吉田光希

人は家族を持ったりすると、家族の責任も背負って生きていかなければなりません。でも学生のうちは基本的にそれがない。

吉田光希

だから責任を背負う前に、どんなに冒険だと思っても、それに挑戦してみた方がいいと私は思います。

開志専門職大学

吉田さん自身の目標は?

吉田光希

私は今30歳なんですが、30代のうちに物を世界規模で売る仕組み作り(マーケティング)をAmazonで学んで、

吉田光希

40代になったら、マーケティングにかけてはこの人だ、と声をかけてもらえるような人間になりたいと思っています。

吉田光希

それまでに知識や人脈を蓄積して、日本の地域創生に携わることができたら、という夢を思っています。

開志専門職大学

開志専門職大学ではどのようなことを教えていただけますか?

吉田光希

帰国子女でもなければ留学経験もなかった私ですが、海外で仕事をしたいという明確な意思を持ち続けることでチャンスをもらえました。

吉田光希

そして、その経験は自分のこれまでの人生で一番価値のあるものだと思っています。

吉田光希

自分の置かれた環境に甘えてしまうことは簡単ですが、自分自身と向き合い、世界と向き合えば絶対にベストな人生の設計図が描ける、ということを皆さんにお伝えしたいです。

特別講師 吉田光希氏

香川県出身。東京外国語大学スペイン語学科に在学中に、4年間外資系アパレル企業でアルバイトを経験。卒業後は玩具メーカーのバンダイに入社し、プリキュアのキャラクター商品企画に携わる。その後2016年から自分で希望を出したバンダイアメリカでの研修に参加し、1年半、海外生活を送る。帰国後、2019年よりアマゾンジャパンに転職し、Amazonでのメーカーの売上アップをコンサルティングする業務を開始。アマゾンジャパンでの肩書きはライフ&レジャー事業本部玩具&ホビー事業部商品戦略部ブランドスペシャリスト。東京都内在住。

インタビュー:福田恵子
撮影:山田美幸
動画:梶浦政善

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