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アマゾンジャパンの広告事業部で「ライフワーク・ハーモニー」を大切にした働き方を実現! 小西光希氏

ECサイトの王者「アマゾン」の日本法人で働く小西さん。学生時代は得意のスペイン語を生かし、本社をスペインに置く外資系企業で4年間アルバイト。さらに自分の好きを見つけるために、あることを始めたのも大学生の時だという。そんな充実した学生生活を経て、念願の仕事に就き、結婚・出産も経験しながら前に進む小西さんに、デジタル広告の特性と学生時代の経験などのお話を伺いました。
すぐに数字で結果が確認できるデジタル広告。お客さまへの貢献度がダイレクトに数字で感じられるのが仕事の醍醐味

開志専門職大学

現在のお仕事について教えてください。

小西光希

アマゾンジャパンの広告事業部で、キャンペーン&クリエイティブマネージャーをしています。アマゾンのウェブサイト上に広告を出稿される企業様に対して、広告内容の審査をしたり、広告効果の最大化を目指し、クリエイティブの側面からご提案をしたりしています。

開志専門職大学

このお仕事の面白さは何ですか?

小西光希

お客様のバナー広告の効果を最大化するために、私自身のアイデアをお客様に提案できることです。デジタル広告の特性は、テレビや雑誌などの広告と比べてすぐに数字で結果確認ができるので、自分のアドバイスや提案がお客様の商品を宣伝するのに貢献できたかどうかを、ダイレクトに数字で感じられるところです。これが仕事の醍醐味であり面白いところです。

開志専門職大学

デジタル広告の良さは何ですか?

小西光希

効果的な広告を適切な場所に表示できれば、別の商品を買いに来ているユーザーにも私のお客様の商品を紹介し、購入検討の候補に入れてもらうことができます。闇雲に、ただパンフレットを配るような広告手法より、すでに何か特定のものを買いたいという気持ちになっているユーザーに向けてのダイレクトな広告を打てるのが、デジタル広告の良さですね。

開志専門職大学

何かを買おうとしている人にとっては、自然にバナーをクリックして、その商品を選ぶ可能性もありますね。

小西光希

アマゾンのアルゴリズムにより、ユーザーが何か商品を探している時、それに類似した商品の広告を並列して表示することができます。クオリティーの高い広告を精査して掲載するので、ユーザーにとっても、広告はより良い買い物の選択肢になります。

開志専門職大学

小西さんのお仕事は、売り上げに直接結び付く貴重なお仕事ですね。

小西光希

メーカーさんが店頭に立って説明するようなことを、ECサイト上で効率的に行えるのがデジタル広告なので、とても大事な役目だと思います。

開志専門職大学

具体的にどのような提案をするのですか?

小西光希

私はキャンペーン&クリエイティブマネージャーなので、クリエイティブの側面からご提案します。例えばアマゾンのサイトだと、「背景画像は明るい色のほうがより商品が売れる傾向にあります」とか、「この季節はこのイベントがあるので、それをテーマにしてキャッチコピーを作ってみませんか」というような提案です。

開志専門職大学

新型コロナウイルスの影響はどうですか?

小西光希

コロナ禍では、人々があまり外出できなかった分、今までECで物を買うという行動をしていなかった人たちが、新しくネット通販で買い物を始めました。ECサイトのバナー広告の出稿は年々増え、その分より分かりやすく質の高い広告を見せられるようにすることが私たちの使命になりました。

アマゾンの「プライムデー」や「サイバーマンデー」で、クリエイティブな広告をミスなく配信できた時に感じる達成感

開志専門職大学

今の仕事に就こうと思われた理由やきっかけを教えてください。

小西光希

もともと日本の玩具メーカーに勤め、企画開発を担当していましたが、数字を基にしたビッグデータを使ったマーケティングをもっと勉強して、自分の強みにしたいと思っていました。その強みが発揮できる会社がアマゾンでした。

開志専門職大学

最初から、クリエイティブの仕事だったのですか?

小西光希

最初は小売部門で、玩具メーカーさんのアマゾンの中での売り上げや利益率を最大化するためのコンサルテーションを担当していました。仕事をしているうちにブランド認知や売上拡大のためには、デジタル広告が重要な「キー・ドライバー」になっていくと認識しました。

開志専門職大学

「キー・ドライバー」って何ですか?

小西光希

目標の達成度を最も大きく左右する要素のことです。

開志専門職大学

なるほど。その認識がどのように今の仕事につながったのですか。

小西光希

当時はまだ、私のデジタル広告についての知識は乏しく、もっと勉強して自信を持ってからコンサルテーションができるようになりたいと思いました。クリエイティブな面を含め、メーカーさんの売上と利益率アップに重要なデジタル広告の勉強のために今の部署に異動しました。

開志専門職大学

仕事を通しての思い出や苦労などありましたか?

小西光希

デジタル広告という商品の特性上、準備期間が短くスケジュールがタイトになるケースがたびたび発生します。アマゾンでは「プライムデー」や「サイバーマンデー」という大きいイベントが年に何回かあるのですが、多くのメーカーさんはこの時こそ広告を出して購買者に自社商品を見てもらいたいと思われます。

開志専門職大学

確かに、皆さんこういったイベントを利用して商品を購入しますよね?

小西光希

はい。だから広告出稿件数も増え準備期間も短くなりがちです。全部ミスなくさばくのは至難の業。でもメーカーさんもその時が1番のチャンスだと思い資金を投入してくださるので、納得のいくようなクリエイティブの提案をして、ミスなく配信できた時は達成感を感じます。

24時間のうちいつ働いてもいいフレキシブルな生活で、「ライフワーク・ハーモニー」を実現

開志専門職大学

小さなお子様がいる中で、仕事と家庭のバランスはとれていますか?

小西光希

私が今の部署に異動したもう一つの理由が、「ライフワーク・ハーモニー」を大切にしたかったからです。まだ子どもが小さいので、自分のリズムで仕事ができる部署を希望しました。フルタイムですが、24時間のうちいつ働いてもいいので助かります。

開志専門職大学

すばらしい! 仕事に支障はないのですか?

小西光希

お客様とのミーティングだけはきちんと入れつつ、夕方は早く切り上げて保育園のお迎えに行って、夜に残った仕事をして、終わったら自分のタイミングで寝るというようなフレキシブルな生活、「ライフワーク・ハーモニー」が実現できています。

開志専門職大学

働く女性にとっては理想的な環境ですね。

小西光希

ライフステージに合った働き方ができるように会社が頑張ってくれています。

開志専門職大学

キャリアか家庭という選択肢ではなくて、どちらも手に入れられるという事ですね。

小西光希

私も両方欲しい派なので満足しています。

開志専門職大学

働くことで得られたことはありますか?

小西光希

デジタル広告の知識、担当企業さんの商品知識、ブランディングの知識が得られました。チームワークを大事にしながら一生懸命共に仕事をした結果、職場で素晴らしい信頼関係を築くことができ、自分の人生も豊かになったと思います。

リーダータイプの子ども時代。高校時代の外国語担当の先生との出会いで、スペイン語学科を目指すことに。

開志専門職大学

光希さんはどちらのご出身ですか?どんなお子さんでしたか?

小西光希

香川県出身です。両親が学校の先生ということもあり、門限もあって少し厳しめの家庭でした。人の前に出るのが好きで、委員長とか修学旅行の実行委員とかそういうのには立候補して、みんなを引っ張っていく委員長タイプでした。

開志専門職大学

小さい頃からリーダーシップが養われていたんですね。

小西光希

ただ、成長していく中で、自分よりできたり自分よりやりたい気持ちの強い人がいれば、その人が動きやすいように自分がどう動いたらよりうまくいくのか、というのを意識するようになりました。

開志専門職大学

バランスがいいですね。リーダにもなれるし、サポートにも回われる。英語はどうでしたか?

小西光希

小学校では3年生から英語のクラスがあり、英語で歌を歌ったりしていましたね。英語に興味を持ち、小さい頃の夢は、海外で活躍する人、たとえば海外で日本語を教えるような人になるのが夢でした。

開志専門職大学

でも、大学ではスペイン語を専攻されたんですね。

小西光希

フライトアテンダントになって英語を駆使して海外で働きたいという気持ちもありましたが、高校の担任の先生が大阪外大を卒業した方で、「あなたはラテンの気質があるからスペイン語がいいんじゃない」と言うので、スペイン語に興味を持ちました(笑)。良いタイミングで外国語に導いてくれる先生がいたのはラッキーでした。

やってみたいことにチャレンジした学生時代。「死ぬまでにどうしても行ってみたい建築物リスト」を作り、サグラダ・ファミリアへ

開志専門職大学

東京外国語大学の学生時代はどんなことをしていましたか?

小西光希

田舎にいたり高校生だったら挑戦できないようなものが身の回りにたくさんあったので、自分の興味のあるもの、特に旅行に行ったり、アルバイトをたくさんしたりしました。当時はニコニコ動画配信など、やってみたいことにどんどんチャレンジ。サグラダ・ファミリアにどうしても行ってみたくて、「死ぬまでにどうしても行ってみたい建築物リスト」を作って、スペインにも行きました。

開志専門職大学

学生時代のアルバイトについて教えてください。

小西光希

1番長く続けたアルバイトは、スペインに本社のあるZARAジャパンでの仕事です。そこで各部署のアシスタントとして様々な業務のお手伝いをさせてもらいました。レセプションパーティーの招待状を送ったり、スタイリストさんに服の貸し出しをしたり、送られてきたスペイン語版のパンフレットを日本語に翻訳するお手伝いをしたりしました。

開志専門職大学

このとき広報宣伝について触れることができたんですね。

小西光希

ブランディングとはどういうことなのか、近くで仕事を見ることができました。

開志専門職大学

ZARAにそのまま就職する機会もあったでしょうね。

小西光希

4年も働いたので、諸先輩方からのお声がけもありましたが、逆に「うちは新卒採用はしていないので、日本の新卒採用をしている会社できちんと新入社員教育や研修を受けさせてもらったほうが良いのでは」とも言われました。新卒で入社した玩具メーカーできちんと新入社員教育が受けられ、本当に良かったと思います。

学生時代にやり始めて良かったのは、「自分の好き」を入れるフォルダー作り。後々、仕事でもプライベートでも役立った。

開志専門職大学

大学生のうちにやっておいた方がいいことはありますか。

小西光希

大学時代にやっておいて良かったと思ったのが、自分の好きなことや自分の好きなモノの画像を入れるフォルダーを作ったこと。就職して自分がアウトプットを出さないといけない時に、インプットとして自分の印象に残っているものをたくさんそのフォルダーに持っていたので、アイデアを出す時の助けになりました。そこには私自身の思考の元になる情報もたくさん入っていましたから。

開志専門職大学

仕事以外でも役に立ちましたか?

小西光希

自分が落ち込んだ時は、好きなモノ、いいことばかりが入っているこのフォルダー内をただ眺めているだけで心が安らぎます。アンパンマンの歌にも「自信をなくしたら良いことだけ思い出せ」というような歌詞がありますからね(笑)。無意識に自分の好きを入れておくと後で見返した時に、自分を客観的に見ることができます。自分で気付かなかった自分を発見できるかもしれませんよ。

開志専門職大学

私も早速、真似したいと思います。今後の夢や目標を教えてください。

小西光希

地方で生まれ育った人間なので、地方には強い思い入れがあります。子育てが落ち着いたら地方に軸足を置きながら、仕事をして培ったスキルを生かして、地方の活性化やグローバル化に貢献したいと思います。

開志専門職大学

特別講師としては、どのようなことを教えていただけますか?

小西光希

これまで複数回転職や転勤を経験しましたが、将来の自分の目標に対しては常に前進してきたという自信があります。それは自分の「選択の軸」というものがぶれなかったためだと考えています。「選択の軸」とはどんなものなのかということと、それが人生にとってどのような意味があるのかということについてお話したいと思います。

開志専門職大学

「選択の軸」とは興味を惹かれます。

小西光希

本などの情報によると、女性の方が男性に比べ、自己評価が低いそうです。「このポジションやってみる?」という問いかけに対して「微妙に届かないかも」と思っても男性は飛びつくけれど、女性は「いや、私には無理だと思います」という人が多いそうです。そうではなくて、男女にかかわらず「選択の軸」をぶれずに持っていると、意志をもってチャンスに飛びつけるようになるということを伝えたいと思います。

開志専門職大学

特別講義、とても楽しみです。ありがとうございました。

特別講師 吉田光希氏

香川県出身。東京外国語大学スペイン語学科に在学中に、4年間外資系アパレル企業でアルバイトを経験。卒業後は玩具メーカーのバンダイに入社し、プリキュア等のキャラクター商品企画に携わる。その後2016年から自分で希望を出したバンダイアメリカでの研修に参加し、1年半、海外生活を送る。帰国後、2019年よりアマゾンジャパンに転職し、リテール部門でおもちゃメーカーの売上・利益率アップのためのコンサルテーション業務を経験。現在はデジタル広告部門のAmazon Adsに在籍し、キャンペーン&クリイティブマネージャーとして働く。東京都内在住。


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